昆虫食民族の野球

昆虫食民族は飛んできたものをとらえる

成り立った今にある尊さ

よかった、本当によかった。スワローズは優勝を果たしました。

 


なんだかじんわりくる優勝です、実感があるようでない不思議な感覚。開幕前のトレードがあって、三連敗を喫した開幕カードがあって……

 

3月、4月がもう遠い昔のことのようです。色々なことが起こりました。とてもじゃないけど信じられないようなことが次から次へと起き続けました。そういえば今年の初勝利も逆転劇でしたかね。


時にはいいことばかりじゃなくて、目を覆いたくなるような瞬間もあったけれど、その比率はちょっと前に比べてかなり改善したと思います。そしていいことの比率は段々高まっていって、接戦をひたすらモノにしていく。その過程でキャプテンや青木さん、ベテランたちはは口をそろえて「強いチームになってきている」とスワローズを評しました。

 

そして迎えた勝負の9月・10月、いつの間にか「いつもすごいことを起こす」チームが出来上がっていました。先発が踏ん張って、打線が四球を絡めた長打と集中打、あとはバトンを受けたリリーフがぴしゃり。そこにあったのは各選手が自分たちの個性を発揮して役割を果たす、確かに強いチームでした。

 

これでスワローズはようやく、11年のツケを返せたのかもしれません。

 

 

 

優勝の二年後に96敗を喫するほどまで細った選手層と、優勝を果たせぬままにメジャーへ旅立った背番号1。

 

強いチームを作り、忘れ物を取り返すための戦いが始まったのが18年でした。この年ルーキーとしてプレーしたのは村上、大下、塩見、金久保、宮本ら17年ドラフト組。結実が今季であるとすれば、彼らの活躍は必然かもしれません。

 

決して平坦な道のりではなかったでしょう。19年、20年には2年続けて最下位に沈みました。「弱い」ということに向き合う作業を乗り越えた2021年、スワローズは強くなりました。

チームを去った選手、故障に苦しんだ選手、矢面に立たなければいけなかった選手や首脳陣…それを土台にしつつ、それでも成り立った優勝。何もかもが報われなくとも、だとしても、だからこそ何にも代えがたい。届かなかったものをスワローズは手にしたのです。

 

 

信じられなかった出来事がとうとう実体を持って、噛みしめられる喜びに変わりました。前言撤回します。すごくすごくうれしいです。幸せです。

 

今夜くらい、いやもう2,3日…やっぱりしばらくは一羽でこっそり喜びを堪能したいと思います、まあそれくらいは許されるでしょう。

 

 

だって優勝したんですからね。