昆虫食民族の野球

昆虫食民族は飛んできたものをとらえる

パワプロにみる「できること」と「発揮すること」の話

野球はわりとメンタルだ

 

 

 

最近ヤクルトの試合がある時たいていパワプロのオンライン対戦をしてます。いや正確に言うと、これまでだら~っと1試合見てたところを、スマホの速報画面を横に置いてパワプロやって、合間合間に動きがあったら中継を見る、みたいな感じ。それで「今日はあかんやろなあ」って展開の時はすぐパワプロです。

 

 

おかげでねえ、最近メキメキと腕が上がりまして

 

 

最初の方はアナログ操作にキレたり*1、PR50くらいのやつに先制されたらすぐあきらめたり、外野前進して高め甘めの直球投げるやつにキレてたりしたんですが*2、山田で真っ直ぐをホームランする練習してたらコツがつかめてきてPR55までこれました。うれしい。最近では配球の読みを当ててホームランしたり、逆に9回2死から確信弾で追いつかれたりしています。これがたのしい。

 

あ、もしパワプロ買いたてでロックオンなしの操作に困ってたり、打撃ムズすぎて買う気ないわって方がもしいたら、とりあえずチームで二番目くらいの強打者使って直球をバックスクリーンへ放り込むように練習するといいっすよ。これやるとそのうち直球さばきつつ甘い変化球を待てるようになりますから。そしてカーブに不意を突かれてポップフライを上げるようになる

 

でまあ、対戦ひたすらやってるうちにわかったんですけど、PR50ちょいくらいのプレイヤーはこれ!と決めた球をひたすら待ってます。たいていは内角のストレートなので、サイスニードの低めスプリットがまあ刺さる刺さる。要するに一番早いタイミングで初球からなんでも振るから、それ以外にからっきし合わないんですよ。で、勝手に自分から追いつめられて、変化球や厳しいボールを見極めきれずに凡退。この鳥の場合も4月ごろはスワローズがまだ5割でやれていたので、ひたすら内角高めの速球を待ってはクサいところをミスショットしていました。もちろん調子に乗って真っ直ぐ続けたりするとあっという間に塁が詰まりますが、それでもミスなく集中力が続けば大けがもしないんで、野球というよかマインスイーパですね。

 

で、どうやら55あたりでまた一つ壁があるらしくて、待ちが色々変わったりします。例えば全力ストレート*3が来たらコース関係なくぶち込んできたり、逆に全ストを捨てて幅広く待って、速い球はセンターから逆方向に飛ばしてきたり。コースで張ってそこへ来たらとりあえず野手の間には飛ぶってやつもいたりしますね。最近スワローズの試合が放送されてないことも手伝ってワイはこのあたりまでこれましたが、こうなると駆け引きが始まります。要するに相手を想像しながらパワプロをやるわけですよ。

 

例えば初回塩見山崎と内角を打って凡退した後、山田を一塁に置いて村上の場面に、変化球が二球続けて外れた後のカウント取りに来る外角直球を宮城球場*4の左中間スタンド芝生あたりまで飛ばす先制弾にしたり。

あるいは近本で内角真っ直ぐをバシーン!とさばいてきたやつに外中心の攻めで内野ゴロ打たせてきたのが、1-0の5回裏にもうええやろってことで吉村さんでインハイちょっと甘い速球投げたら代打ミエセスに甲子園の上段へ持っていかれたり。

 

…まあともかく言いたいことはですね、例えばこの2本のホームランは①直球と変化球の区別がついて、ボール球を見極める余裕がある、②どういうピッチングをされようが自分の打撃スタイルを貫くという意思がある、という心理的な準備状態があって、その上で①外角の、②インハイの、それぞれ直球をホームランにする技術(スイング)があるから結果につながった、といえる。ここでPR50くらいのやつの打ち取られ方をもう一度思い返してください。いくら真っ直ぐをホームランできる技術があっても、ボール球や変化球なんかを振っててそれが発揮されなければ意味がない。だからそれを発揮させないような工夫、発揮するための工夫が必要になる。こいつが準備や駆け引きです。相手のやりたいことを対策したり、自分のやりたいことを通せるようにしたりする。

 

 

もうちょっと実際的な例を挙げましょう。同点の9回裏、一死で二塁走者置いて左対左の状況です。初球、二球目と続けたボール気味のスライダーに、まるっきり泳いだスイングで空振りを繰り返したバッターがいたとして、さて何を投げましょう。まあ「ストライクゾーンの真っ直ぐで三球勝負」ってのはまずないはずです。打者もこれで真っ直ぐイチニのサンで振りにいくのはよっぽど真っ直ぐ打ちのバッターか、それをしないとどうしようもない場面でしょう*5

 

 

で、どうなったか。スワローズファンならおわかりでしょうけど、これは25日の阪神戦で一打サヨナラのチャンスで凡退した長岡の打席のことです。結果は一球外してスライダーを左飛。まあこの打席はちょっと真っ直ぐ待ちが見え見えでしたかねえ…

長岡は選ぼうと思ったら選べるしレフトへ打てないこともないんですけど、一軍では基本的に真っ直ぐを強く引っ張る*6バッターです。特に一死で走者が二塁にいて、また真っ直ぐの速い及川なんで、進塁打も含めて真っ直ぐ狙いに行ったところもあると思います。まあこっちの都合だけで野球はやらせてもらえないってことでしょうか。

これに限らず、ヤングスワローズは崩しに来られたり相手主導の場面になるとちょっとまだまだ相手の意図とか文脈を捕まえきれずにやられてるのかな、なんて思います*7。二死とか塁が詰まってたりとかで打ちゃいい時はある程度打つけど、得点圏に走者がいたり、走者なしでも点差競ってる時とか、打たせたくないな…で慎重に入ってくるのにボール球やきつい球振ったり、チャンスだから慎重に…で反対に浅いカウントの失投を見逃したり。

 

結局こういうのをなんとかするには経験というか場数が要るんだろうと思います。コーチの指示はわからないけど、同じ二軍から上がってきた西浦・太田のバッティング内容みたいになんとなく見える部分もありますから*8。もちろん長岡も濱田も並木も内山・古賀も、各選手一軍の舞台に立てるだけのものは持ってるわけですよ。何名かは実際に去年一定の数字残してるわけだし。でもそれを相手もさせたくないから色々やってくる。そこをもう一つ乗り越えるためには、練習(さらなるフィジカル・技術)もいるけど実戦経験(メンタル・余裕・準備)も必要なのだろうな、という。打撃の話ばっかりでしたけど、バッテリーもそういう要素はあるでしょうね。

 

とはいえ濱田がカウント作れるようになってきたり、内山や長岡が派手なホームラン打ったりと成長は続いてるんです。一軍で通用するレベルからその先へと成長してる段階だから、メンツの揃ってる相手にあと一歩ずつ届かねえな、っていうしょっぱい敗戦が起こるのも当たり前っちゃ当たり前です*9。だからこれまで通り気長に待ちますよ、あるいは一軍に呼ばれた中堅組がお手本を見せて、明日にでもすんなり連敗止めるかもしれませんね。というかこのまま続いたらオフにはプロゲーマーになりかねないので頑張ってくれ、スワローズ。

 

 

 

 

以下余談

一応PR50と55の違いがあるように、PR55とそれ以上の違いもあるはずです。たぶんイチローとかやばいときの村上みたいになんでも打っちゃう技術のやつとか。でもパワプロじゃなくてリアルでやってる野球はコンディションやフィジカルと向き合いながら、自分の持ってる技術を発揮しつつ相手と駆け引きしていかなきゃいけない。大変ですよ。

そういう意味ではむーちょのWBCもしかり、昨年まで十全な状態にあった粘り強さ、駆け引き面で後れを取るのも仕方ないかなあと思っていたり。

 

 

 

 

 

*1:パワポケ経験者の悲しい性

*2:これは今でも

*3:球が軽い代わりに速くて合わせにくい直球。普通の直球は重くて合わせやすい。パワプロやってない人のために一応補足。

*4:あの球場なんて略したらいいんですかね。もうだいぶ前にKスタじゃなくなっちゃったし

*5:もっとも、パワプロなら見逃し三振狙いがあるかもしれないけど

*6:ことのできる

*7:内山はそうでもない気がする。一方で村上は広い意味でここに入るのかもしれない

*8:一番打者の太田は初球から甘い真っ直ぐを打ちつつ4打席目はカーブ攻めに対応して猛打賞。西浦は代打で初球からスイングかけつつ、甘い球が来たらセンターへ打つという教科書通りのバッティング

*9:勝負所での手痛い失投やミス、配球関連で攻略されるパターンも含む?