昆虫食民族の野球

昆虫食民族は飛んできたものをとらえる

22日の雨中の話

9日に投稿したあと目まぐるしくコトが動いて、ついに今日*1ゲーム差なしです。3つ勝てば優勝というなかで、カツオさんを降ろしてのリリーフ5枚投入。勝ちながら育成をやってるスワローズとしては一番避けたかった消耗戦に入ってきました。

 

でも、ここまで来たら高津さんの言葉を信じるのみですよ、大将がファイティングポーズを取り続ける限り絶対大丈夫という裏付けは変わりません。あれはそういう言葉のはずですから。今季何度もしてきたように、向かい風は背中で受け止めるものです。

 

まあ今季の積み上がりはここ数年から十数年のうち一番で、だからこそ負けた時のことは最悪やなーという感想もでてきますけど、結果はどうあれ未完成のチームに今季の経験は必ず活きてきます。野村ヤクルト以来の貯金20、なおかつ最高にタフな場面を知る男達なんて最高じゃないですか。鳥はそれが成立することを信じています。

 

01年はマジックともってから2か月近くかけて10月に優勝しました。15年は東京ドームで初戦落としてなお二戦目取ってマジックをともしました。このくらいの逆境なんて屁でもありません。明日の夕方にはあの時の館山・山中たる原ジュエリーでマジックを減らしてくれるでしょう。

 

とまあ、ここまでが話を冷静にやるための気付けみたいなもので、本題です。

 

 

 

 

終わるまで終わりじゃないという視点から計算してみる

 

 

22日に雨天中止が入ったのでこれが11月にズレて、高橋奥川と抹消されてるスニードの使いどころが出てきました。

 

要するに24(日)、一日空けて26(火)、二日空けて29(金)、また二日空けて11/1(月)という日程に、スニード、中9日の奥川、最終戦高橋という使い方ができます。

まあ明日は予告通り原樹理として、仮に負けてもまだマジック3で後半戦の一番いい先発を丁度3枚ぶちこむ算段が整うわけです。26日の火曜日は高梨の目もあって誰がでてくるか読めないんですが*2、原からきょう投げてないスアレスのロングリリーフをやるとするなら同様に高梨-スニードのリレーを成立させられるとも読めます。

 

で、最終戦はおそらく森下が出てきますが、高橋ならカープを球団別で一番抑えてるんですよね。13と2/3イニングで失点2の防御率1.32。川端宮本の存在も込みで十分に投手戦をやれる数字です。

 

今日の高津さんのコメントはこんな感じでした。

news.yahoo.co.jp

投げやりともとれる言葉ですが、鳥はそうだと思っていません。繰り返しますが3つ勝てば優勝という事実は変わらないのです。140キロそこそこの真っ直ぐとシンカーを振るって9回のマウンドに上がり続けたクローザーの(当然こんな鳥を上回る)、計算と度胸を信じてのこり4試合を待ちたいと思います。

 

youtu.be

 

 

 

*1:書いてるうちに日付こえたのでこう書かしてください

*2:ついで29と最終戦には金久保が間に合う

チームとは積み重ねなんやなという話

ヤ4-1阪

 

中尾と河田コーチの話

 

 

前言うてたことの焼き直しみたいになるんですけど、中尾が投げてた18年ってホントに一軍で放れるピッチャーがいなかったんですよ。

例えばビハインド中心とはいえ中澤さんや風張が高めの防御率でそこそこのイニング消化してたりするんですけど、ほかにも寺島梅野やケガ明けの由規館山みたいな「ほかにいなくて回ってきてる」と見えてしまうようなローテの谷間があったりするし、そもそもライアンが5月までいなかった。

結局この年はカラシティーとハフの第二先発や原・高橋奎二の台頭でしのいだんですけど、まあそういう中で接戦取るには勝ち継投でなんとかするしかない。近藤さんや石山和尚と共に、三連投も上等とばかりに投げた中尾はそのあと肩を壊して二軍暮らしを続けました。

 

ケガしたあとの中尾ってちょっとフォームも変えてステップ調整して、これまでのようにはできないけれどそれでもなんとか生き残ってやろう、みたいな感じがあって。それがたくましくもあり、今から思えば少し痛ましかった。

でも、彼の頑張りが無かったら15年から21年の間は5年空いてたんですよ。何人かの選手はアレが無かったらAクラスすら経験していない。広島戦で初ホームラン打った村上も、阪神戦でテキサスヒットをツーベースにした塩見も今年が二度目のAクラスです。

 

 

あと2018年の話をするなら、いま広島にいる河田コーチが走塁のことをかなりしっかりやり始めたんですよね。

number.bunshun.jp

手ごろな引用先が見つかんなくてアレなんですけど、山田が初回にやった体反転させて右手でホームベース触る、あのタッチ避けのスライディング*1も河田さんがキャンプで散々やってたやつです。

今の山田はどうも足が悪いらしくて、あのシーンも打球のわりにホーム到達が遅いしタイミングそのものはアウトに近かった*2。でもそこからセーフもぎ取ったところに河田コーチの残したものがあるのかなと。

 

河田コーチは二年連続最下位の去年に退団して、中尾はファーム成績が悪化したまま戦力外になりました*3。ただそういった人たちが、荷物と一緒になにもかもを引きあげて去っていくわけではないはずです。

 

要するに誰かがチームから居なくなる日まで積み重ねたものの上に今のチームがあるんかな、と思いますね。屋宜や菊沢が回したファームから今年金久保がでてきたのなんかはそれをよく表してます*4

 

なんというか、ありがとうじゃ浅いんですけどなんかで感謝を伝えられたらええなーって。

 

*1:これ確か西浦も中日かSB戦でやってたはず

*2:たぶん追いタッチ気味になったこと、あと山田が避けてタイミングがずれたことで空タッチの可能性を否定しきれなかったのかなと思ってます

*3:河田コーチは一応古巣でヘッド就任の栄転だし、ひょっとすると中尾も育成再契約があるけどね

*4:今年で言えば歳内や蔵本の役回りでもあったと思う、下と丸山には頑張ってほしい

説明のつく話とつかない話

ヤ4-0De

 

 

理屈と感情

 

勝ちに不思議の勝ちありにしようと思ったんですけどね、でもヤクルトは2011年にふしぎな負け方をしています。

いやまあ、いくらチーム防御率二点台の球団があったとしても統一球の年にリーグで一番点とれるチーム作って負けるかっていう話ですよ。二番に田中浩康、六番に宮本慎也がいて、ベンチには代走要員が必ず二枚。しぶとく泥臭く全員で一点を取りに行けるチーム。それも故障者や離脱を枝葉の選手や新戦力、救世主でカバーして、日替わりヒーローのいい流れが何度もあったなかで9月と10月の天王山。いくらなんでもあの流れから10ゲーム差ひっくり返るなんて、ファンからしたら不思議の塊ですわ。

 

でもそこにあった問題をスワローズは分かってたはずなんですよ。だから2015年に真中さんは個人技を活かして点を取る野球を取り入れて、川端慎吾を二番で使った。川端、山田、畠山は打撃三冠を三人で分け合い、館山が救世主になって、カツオさんは中4日で熱出しながら天王山のヒーローになりました。そして日本シリーズではホークスに負けて、わずかな主力が頑張ったツケと共に我慢の時期がやってくるわけです。

 

 

今年のスワローズには、そのあたりの記憶や教訓と結びつく出来事がちらほら見えます。休養を挟みつついいところでホームランを打つキャプテン、チームの勝利から逆算したバッティグのできるベテラン、打つ方でも役割を果たすキャッチャー、三連投のないリリーフ陣、豊富な先発陣と少しずつ階段をのぼる若きエース*1、そしてなによりあの時よりもはるかに層の厚い戦力と、底抜けに明るいベンチの雰囲気。

ええそうです、不思議の負けはやっぱりなかったのです。だから青木さんはお立ち台で「まだまだ早い」と言ったのでしょう*2

 

でもやっぱりこの鳥にとってはまだピンとこないんですわ、確かにひとつひとつのプレーや勝利に多少の高揚感はあるんだけど、どうしてずっと続いているのかがわからない。でもその状況をいつの間にか当たり前として捉えはじめて、ここまで書いてるくせにまだ自分が冷静だという気でいるんですよね。まだ1ゲームやぞー、近藤と梅野はかえってこれるんかーって。

 

ひょっとしたらそれがノムさんのまいた無形の力なのかもわかんないけど。

 

*1:それでも三段飛ばしか中腹からスタートくらいとかはしてると思うけどね

*2:そういえば今年、何度も何度も「強いチームになりつつある」という言葉を口にしている

育成にも戦力が要るんやなーと思い知っている話

ヤ3-0中

 

奥川、村上とドラ1四兄弟あと廣岡

 

 

10連戦の8試合終わって6勝2分けですってよ、しかも今日は神宮で完封って。

17年とか19年とか去年じゃありえんですよまったく、なにかこれまでのスワローズじゃないような感覚がしています。

 

とここまで書いてきて思ったんですけど、ちょっと今日のスタメンを白々しく思い出してみましょう。

 

塩見

青木

山田

村上

オスナ

中村

西浦

坂口

高梨

で移籍経験者は4名。(含 青木さん)

 

えーとあとベンチ17名のうち田口とサンタナが今年新加入で、今野と嶋さんも移籍二年目。元山はルーキーで去年いなかったし、古賀と渡邉大西もまあ実質一軍フルは初めて…

 

 

 

 

うんまあ、半分くらいは物理的にこれまでのスワローズではないですね。

 

ということで今回は残ってるこれまでのスワローズ部分の話をしたいと思います。

 

 

 

えー、ドラ1四兄弟っていうスワローズ用語があります。05年が村中、06年が増渕、07年が由規、08年が赤川。要するに4年続いてドラフト1位で高卒投手が入ってきたわけですね。

これにはこんな思惑があったそうです。

 

 

私の頭の中にあったのは、高卒で長い間活躍した巨人の桑田真澄斎藤雅樹槙原寛己の三本柱。あれを夢見ました。4人いれば、先発ローテーションの残りは組み合わせていけば何とでもなるし、ドラフトでも思い切った指名ができます。

 

ところが四兄弟は長続きしなかった。赤川は3年目の11年に6勝、12年に8勝しましたが、以降は1つも勝てず、7年で戦力外になりました。

ドラフト会議情報局2021:ヤクルト、誤算だった高卒ドラフト1位四兄弟

 

 

まあ結局、巨人三本柱の通りにはいかんかったです。

村中、由規は二年目から一軍でローテ回して二桁勝利も経験して、増渕と赤川も主力投手として活躍しました。ただ13年以降はケガとか不振、イップスなどいろいろ重なり、チームにいま誰一人のこってません。

 

個人的にはモデルチェンジを強いた統一球や、フル回転を求められた11年のCSもだいぶ悪さをしたと思うんですけど*1、そもそも三本柱の一本目、槙原が入ったころの巨人*2って投手陣は江川西本とか抑えの角とかがバリバリやってたころで、打線には原とか中畑とか篠塚とかクロマティとかがいるんすよ。

んでその後の斎藤*3や桑田*4の時期も基本チームは強くて戦力はちゃんと確保されてる。

ということは彼らにかかる重圧とか期待感って、ある程度は割り引くことができるものやったんじゃないかって思うんですよね。

まあ桑田は高卒二年目で200イニング投げるばけものですが

 

…もちろんドラ1四兄弟の才能とかスケールは素晴らしかったんですけど、当時のヤクルトって彼らをカバーできるような、矢面に立てるような戦力の余裕があったのかなっていうとちょっときわどい所かなーと。

村中がルーキーの06年から赤川の1年目09年までの順位は3位、6位、5位、3位。10~12年の最盛期にしてもやっぱり彼らや石川館山、MOL*5といったひと握りの主力をのぞけばルーキーやベテラン、助っ人にトレード組となりふり構わずやらなきゃいけなかったわけで。

 

 

いま奥川・村上が活躍していて、チームにとって欠かせない役割を果たしてくれているけど、彼らを育成するための努力も確かにされてるんですよね。

奥川と同期の大卒投手3人衆、石山山田小川の残留、戦力外からの投手補強、内川と助っ人のスニードオスナサンタナ、開幕前にやってきた田口。

 

結果的に補強になって勝ってるんですけど、二年連続最下位のチームで奥川や村上に目先のことへとらわれず大きく育ってもらおうと思ったら、やっぱ彼らのよきお手本とか、カバーの効く頼れる先輩は一人でも多い方がいい。バレンティンだって二年間は村上とやってるわけで。

 

あと育成って書いたんで若い選手とか新戦力の話ばっかりになってますけど、むーちょの正捕手っぷりとか、元山西浦の競争と相乗効果、東京五輪で頑張った哲人キャプテン、再昇格後にバントをきっちり決めた山崎などを見ていると、勝つことで選手としての幅を広げていくこともあるんやな、と思います*6

 

ヤクルトは3~4年おきに強くなるとか言われてたけど、むしろそれくらいに一回は勝っとかんとあかんのかもしれませんね。

 

ついでに廣岡がベンチに入ってた時期がほとんど弱かったのもアレわりと問題だったんじゃないですかね(小並感)

*1:あと由規が仙台開催のASに無理して出たのはまずかったと思う、責められないけど

*2:1982年

2689web.com

*3:1983年

 

2689web.com

 

*4:1986年

 

2689web.com

 

*5:松岡・押本・イム。なお松岡とイムは12年に故障

*6:塩見はもっともっとやれる

スワローズファンという立場の話

ヤ6-6巨

 

基本的にスワローズファンって奇特な生き物だと思うねんな

 

 

 

いやまあ色んな人がいると思うんですけど(精一杯の予防線)、例えば阪神とか巨人のファンって、認知度が高いから熱をあげても許されるとこあるじゃないですか。いわゆる虎キチとか。

 

そういうメジャーな球団のファンになった(なる)というのは、例えば誰かと話が通じたり、それが盛り上がったり、そういうメリットを享受しやすいということでもあると思うんですよ。んで下地があるから、環境も整いやすい。

 

例えばこの鳥(一人称)は坂口さんがいた頃のオリックス*1を応援してたんですが、在阪メディアって基本どこもかしこも阪神びいきなんですよね。朝の情報番組で阪神がでてきて、ワイドショーで阪神がでてきて、夜は中継があったり虎バンがあったり。

 

それに対してオリックスびいきの番組ってABCラジオが月曜にやってた「これぞ!Bs魂」くらいしかないんすよね。30分の*2。これちびっ子がファンになってもどこで調べて誰と話すねんっていう、まあもう今はスマホあるしYouTubeでパテレの動画とか見てはるんでしょうけどね。

 

えらい脱線しましたけど、要するにヤクルトと巨人の構造もこれに近いなーって。地元には強烈なライバルがいて、地上波の露出もそう多くなくて、やっぱりヤクルトびいきの番組はない*3。ファンサービスとかも正直まだ他球団を追いかけてる段階やし。公式YouTubeにハイライトあげだしたらファンにびっくりされたし

あと15~20年くらい資金的な問題で派手に戦力や施設に投資できなかったのも無関係では無いと思う(要するに弱い)。

 

逆に言えばそういうのをくぐり抜けてヤクルトファンにたどり着く時点で、なにかしら頑張りか幸運(不運?)があるはずなんすよ。さもなくばどっかおかしいか。

だからファンとしての立場、球団との関わり方はひねくれてるか深いか、なんにせよ複雑なパターンをよく見かける気がする。事情はとりあえず飲み込んでその上で、みたいな?

 

もうちょっとわかりやすくするとよくヤクルトファンは怒らへんとか温和みたいなイメージがあるっぽいですけど、そらマイノリティやもん。あと弱いし。正面から不満を言うてもあかんから調べて論理武装するか性格面で貯金を作っとくわけです、それと事の真偽や内容はわけなあかんけど*4

 

今はネット全盛なんでフツーに同士も記事も見つかるし、DAZNにも帰ってきたし。それに燕パワーとかみるに球団もうまいこと東京という成分を落とし込んでくれてるので、その辺の頑張りもありがたいとこです。

ただまあ土手の草むらから側道とか歩道には帰ってきたけど、道の真ん中ではないよなーっていう。気楽さと同時に非主流派としての居心地の悪さも抱えているわけです。

 

たまにそういうのを感じたくないから巨人orソフトバンクファンですっていうマッシブな方もいるんですが、この鳥はなんか変に我慢強くて意地っ張りなのでその選択肢を取るつもりがありません。

 

その点では今日の塩見の活躍や、甲子園のスター奥川、問答無用のスーパースター山田村上みたいなすごい選手、それと勝利っていうのはこのチームの持ちえる主流なんだと思うんですね。そういう時の鳥は思いっきりはしゃぎます。はしゃげるし、はしゃぐべき話題だから。

 

今年は廣岡でもっとはしゃげると思ってたんやけどな―

 

 

*1:正確に言うとコリンズくらい~後藤がでていくあたり

*2:のちに他番組に吸収されてしまった

*3:フジワンとプロ野球ニュースはちびっ子見ないと思う

*4:例は挙げなくてもわかると思う