昆虫食民族の野球

昆虫食民族は飛んできたものをとらえる

説明のつく話とつかない話

ヤ4-0De

 

 

理屈と感情

 

勝ちに不思議の勝ちありにしようと思ったんですけどね、でもヤクルトは2011年にふしぎな負け方をしています。

いやまあ、いくらチーム防御率二点台の球団があったとしても統一球の年にリーグで一番点とれるチーム作って負けるかっていう話ですよ。二番に田中浩康、六番に宮本慎也がいて、ベンチには代走要員が必ず二枚。しぶとく泥臭く全員で一点を取りに行けるチーム。それも故障者や離脱を枝葉の選手や新戦力、救世主でカバーして、日替わりヒーローのいい流れが何度もあったなかで9月と10月の天王山。いくらなんでもあの流れから10ゲーム差ひっくり返るなんて、ファンからしたら不思議の塊ですわ。

 

でもそこにあった問題をスワローズは分かってたはずなんですよ。だから2015年に真中さんは個人技を活かして点を取る野球を取り入れて、川端慎吾を二番で使った。川端、山田、畠山は打撃三冠を三人で分け合い、館山が救世主になって、カツオさんは中4日で熱出しながら天王山のヒーローになりました。そして日本シリーズではホークスに負けて、わずかな主力が頑張ったツケと共に我慢の時期がやってくるわけです。

 

 

今年のスワローズには、そのあたりの記憶や教訓と結びつく出来事がちらほら見えます。休養を挟みつついいところでホームランを打つキャプテン、チームの勝利から逆算したバッティグのできるベテラン、打つ方でも役割を果たすキャッチャー、三連投のないリリーフ陣、豊富な先発陣と少しずつ階段をのぼる若きエース*1、そしてなによりあの時よりもはるかに層の厚い戦力と、底抜けに明るいベンチの雰囲気。

ええそうです、不思議の負けはやっぱりなかったのです。だから青木さんはお立ち台で「まだまだ早い」と言ったのでしょう*2

 

でもやっぱりこの鳥にとってはまだピンとこないんですわ、確かにひとつひとつのプレーや勝利に多少の高揚感はあるんだけど、どうしてずっと続いているのかがわからない。でもその状況をいつの間にか当たり前として捉えはじめて、ここまで書いてるくせにまだ自分が冷静だという気でいるんですよね。まだ1ゲームやぞー、近藤と梅野はかえってこれるんかーって。

 

ひょっとしたらそれがノムさんのまいた無形の力なのかもわかんないけど。

 

*1:それでも三段飛ばしか中腹からスタートくらいとかはしてると思うけどね

*2:そういえば今年、何度も何度も「強いチームになりつつある」という言葉を口にしている